3-7 『ダークL』の発音の仕方

ダークL

ここで、[l]の音が重要な変化を起こすことについて説明します。

例えば、peopleという単語は、「ピーポー」と発音すると習ったのではないでしょうか？しかし、なぜ、語尾がlの音で終わっているのに（最後のeは読まないサイレントE）、「ピープル」と発音せず、「ピーポー」と言うのかと疑問に思った人も多いのではないでしょうか？

それは、「ダークL」が使われているからです。

実は、Lの音は、単語の中や終わりに出てくるときは、舌を歯茎に付けずに「ゥ」や「ォ」のように発音します。（*舌を歯茎に付けて発音しても、誤りではありません。）

次の図のような位置に舌を持って来て、発音します。

この舌の位置で発音すると、次のような音になります。

「ダークL」の音

ダークLで発音する理由

では、なぜわざわざ[l]の発音ではなく、ダークLで発音するのでしょうか？

ダークLで発音する理由は、発音のしやすさのためです。例えば、語尾に[l]のある、sellという単語を、[e]のあとに舌を上の歯茎にしっかり付けて[l]と言うと、少し面倒に感じるでしょう。しかし、この[l]を上の歯茎に舌を付けずに発音して済むなら、発音が楽だと感じるはずです。

これが、ダークLが使われる理由です。

なるべく舌の動きが少なく省エネで済むことを選択した結果の音だと考えてください。

では、ここでダークLの発音を練習してみましょう。

トレーニング

「ダークL」の音

fall [fɔ́:l]

oil [ɔ́ɪl]

pull [pʊ́l]

sell [sél]

mail [méɪl]

tell [tél]

nail [néɪl]

ワンポイントアドバイス

ダークLが使われているので、上記の単語で、例えばfallが「フォーウ」のように発音されること、oilが「オイウ」のように発音されることに気を付けてください。

さらに詳しく

「ダークL」ではない、通常のLは何と呼ばれるかというと、「Light L」（明るいL）と呼ばれています。