あいまい母音[ə]の発音のイメージ
今から「ア」をものすごく弱く言ってみてください。口から一切の力を抜いて、だるそうに発音します。
次に「ウ」をものすごく弱く言ってみてください。さっきと同じように口から一切の力を抜いて、言います。
どうですか?似た音になりませんか?
これがあいまい母音のイメージです。
つまり、どの母音であっても、すごく力を抜いて発音すると、似た音になる、ということです。
ですから、「ア」なのか「イ」なのか「ウ」なのか、区別があいまい、という意味で[ə]は「あいまい母音」と呼ばれています。
ただし、このあいまい母音[ə]が出現する箇所によって、「ア」が強く聞こえたり、「エ」が強く聞こえたり、ということはあります。
したがって、1-6-1で、この音は『弱く「ア」と言う』、と言いましたが、実は『「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」が弱まった音』、というのが正確な説明です。
例えば、トレーニングの部分の単語で、station [stéɪʃən]が出てきましたが、この中の下線部「o」の部分に、あいまい母音[ə]が使われています。
これは、この部分のスペルの「o」(オ)の発音が弱くなって[ə]が使われていると理解してください。
他にも例を挙げると、item [áɪtəm]という単語があります。この単語も、後半のeの部分の「エ」の発音が弱くなって[ə]が使われると考えてください。
まとめ
まとめると、あいまい母音[ə]は、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」という母音が弱くあいまいになって、出てくる音です。ですから、場所によって、弱い「ア」のように聞こえたり、弱い「エ」のように聞こえたりすることがあります。
あいまい母音の消失!
このあいまい母音は、弱いがゆえに、よく消えてしまうこともあります。
item [áɪtəm]という単語も、よく[áɪt(ə)m]となったり、station [stéɪʃən]という単語も[stéɪʃ(ə)n]となることがあります。
item [áɪtəm]
あいまい母音を弱く[áɪt(ə)m]
station [stéɪʃən]
あいまい母音を弱く[stéɪʃ(ə)n]