1-6-2 [ə]の発音の仕方 詳細

あいまい母音[ə]の発音のイメージ

今から「ア」をものすごく弱く言ってみてください。口から一切の力を抜いて、だるそうに発音します。

次に「ウ」をものすごく弱く言ってみてください。さっきと同じように口から一切の力を抜いて、言います。

どうですか?似た音になりませんか?

これがあいまい母音のイメージです。

つまり、どの母音であっても、すごく力を抜いて発音すると、似た音になる、ということです。

ですから、「ア」なのか「イ」なのか「ウ」なのか、区別があいまい、という意味で[ə]は「あいまい母音」と呼ばれています。

ただし、このあいまい母音[ə]が出現する箇所によって、「ア」が強く聞こえたり、「エ」が強く聞こえたり、ということはあります。

したがって、1-6-1で、この音は『弱く「ア」と言う』、と言いましたが、実は『「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」が弱まった音』、というのが正確な説明です。

例えば、トレーニングの部分の単語で、station [stéɪʃən]が出てきましたが、この中の下線部「o」の部分に、あいまい母音[ə]が使われています。

これは、この部分のスペルの「o」(オ)の発音が弱くなって[ə]が使われていると理解してください。

他にも例を挙げると、item [áɪtəm]という単語があります。この単語も、後半のeの部分の「エ」の発音が弱くなって[ə]が使われると考えてください。

まとめ

まとめると、あいまい母音[ə]は、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」という母音が弱くあいまいになって、出てくる音です。ですから、場所によって、弱い「ア」のように聞こえたり、弱い「エ」のように聞こえたりすることがあります。

あいまい母音の消失!

このあいまい母音は、弱いがゆえに、よく消えてしまうこともあります。

item [áɪtəm]という単語も、よく[áɪt(ə)m]となったり、station [stéɪʃən]という単語も[stéɪʃ(ə)n]となることがあります。

item [áɪtəm]

あいまい母音を弱く[áɪt(ə)m]

station [stéɪʃən]

あいまい母音を弱く[stéɪʃ(ə)n]