toが非常に弱くなる

速くてカジュアルな会話では、toが非常に弱くなることがあります。

to[tú:]の語頭の[t]の音が消え、さらに[ú:]の音も[ʊ]やあいまい母音[ə]となり、toが[(t)ʊ]や[(t)ə]のようになります。

このような発音になると、toの原形をほとんどとどめていないので、聴き取りがかなり難しくなります。

前後の単語から、toの存在の推測をするということで、対応します。

ちなみに、このtoが非常に弱くなるという現象は、不定詞のtoと前置詞のtoのどちらでも起こります。

1)英・米

A: What time is the football game?
B: I believe it starts at 1 o’clock.
A: Hope I have time to eat beforehand.
B: You can always buy food at the stadium.
Aの二つ目の発言の中のtime to eatのところで、toの中の[t]の破裂音がなくなり、非常に弱くなっている。
A: フットボールの試合は何時かな?
B: 1時からだと思うよ。
A: 事前に食事をする時間があるといいんだけど。
B: スタジアムでいつでも食べ物を買うことができるよ。
*beforehandは「事前に」という意味。

2)英・米

A: Did you get Mom something for her birthday.
B: No, I was planning to put my name on whatever you got her.
A: That’s funny. I was planning the same thing.
Bのplanning toの中の「to」がほぼ消えている。
A: お母さんの誕生日のために何かプレゼント用意した?
B: いや、君が用意したものに俺の名前を入れようと思ってたんだ。
A:それは面白いわね。私も同じことを考えてた。

3)英・米

A: Do you have any plans for the weekend?
B: I was going to go see that new movie.
A: Wow, you’re braver than I am. I can’t stand horror films.
B: They’re not that scary. The special effects are just awful!
Bのgoing toの中の「to」がほぼ消えている。
A: 週末に何か予定ある?
B: あの新しい映画を見に行こうと思っていたんだけど。
A:わあ、あなたは私より勇気があるね。私、ホラー映画は苦手なんだ。
B:そんなに怖くはないよ。特撮がひどいんだもん。
*scaryは「怖い」という意味。

4)米・英

A: Do you want to go (to) dinner with me?
B: Sure! What did you have in mind?
A: We could go to that new burger place.
B: I can’t wait!
Aの最初のセリフのgo to dinnerの中の「to」の[t]の破裂が消え、全体が非常に弱くなっている。
A: 一緒に晩御飯食べに行かない?
B: もちろん!何を食べる予定?
A: あの新しいハンバーガーショップに行こうか。
B: 待ちきれないわ。