頻出の省略形(1)

省略形元の形
1wannawant to
2kinnakind of
3sortosort of
4there’sthere is
上記の表の、2 kinna, 3 sortoなどは、正式な表記ではなく、発音の理解のための便宜的な表記なので、実際に文章を書くときには使わないようにしてください。ちなみに、wannaなどその他の省略形も、正式な書き言葉ではないので、フォーマルな場面では使用は避けることになっています。

wanna

want toが発音変化をして、wannaという形で使われることが多くあります。カジュアルな間柄の会話で用いられます。

この変化は、次のようにいくつかの変化が生じた結果、生まれています。

(1)want toの中のwant[t]toの[t]が同化し、wanttoとなり、

(2)nとtの音が連続すると、tの音が消える現象が起こり、wanttoからwanoとなり、

(3)語尾の[u:]の音が、あいまい母音[ə]となり、wanoからwanna[wɑnə]となる。

では、これから実際の音を聞いてみましょう。

1)

You wanna see something?
wannaが使われている。

2)

Well, if we get on TV, we wanna look good, don’t we?
wannaが使われている。
もし僕たちがテレビに出るなら、カッコよく見せたいよね?

3)

I wanna know what that is you’re playing.
wannaが使われている。
君が遊んでいるものを知りたい。

4)英

Oh, is there anything you wanna say to me?
wannaが使われている。
あら、私に何か言いたいことがあるんですか?

kinna

kind of(少し、ちょっと)は、音声が変化してkinna[káɪna]となります。

変化のプロセスは以下の通りです。

(1) kind ofの中の、dが消え、kin(d) ofになる。(nとdの音の連続がある場合、dが消えることがあるため)

(2) そして、ofの語尾のf[v]が消え、kin(d) o(f)

(3) ofのoはあいまい母音[ə]のため、kinna[káɪnə]という発音になる。

実際に、kinnaが使われる音声を聴き取ってみましょう。

1)

Hey, I’m kinna hungry. Who’s got the food?
なぁ、ちょっとお腹すいたんだけど。誰が食べ物持ってる?

2)

A: What kinna things do you talk about? B: About our jobs and various things in our lives.
“What kind of things”が”What kinna things”となっている。
A: どんなことについて話すの? B: 私たちの仕事とか生活の中のいろんなこととか。

sort of

sort ofは、ofのf[v]が弱まって、sortoのように発音されることが多い。

1)

A: Kevin, could you take out the garbage? B: Ma, I really don’t have time for that sort o(f) thing.
sort ofがsortoのように発音されている。
A: ケビン、ゴミを出しておいてくれる?B: ママ、そういうことをする時間は本当にないんだ。*take out the garbageで「ゴミ出しをする」という意味。Maは、Momの短縮形。

there’s

There isという発音がされることはまれで、実際は、There’sという短縮された形になります。発音も、thereが[ðéər]のように、しっかり[ər]が発音されることはなく、There’sは[ðez]のように発音されます。

1)

There’s something I need to tell you.
There’sが使われている。
あなたに言わないといけないことがある。

2)

Do you believe there’s any possibility of me starting over with my ex.
there’sが[ðez]と短く発音されている。
exとは、ex-boyfriend(元カレ)、ex-girlfriend(元カノ)、ex-husband(元夫)、ex-wife(元妻)を指す言葉。
僕が元カノとやり直せる可能性あると思う?

3)

A: There’s nothing I can do to change my life for the better. B: Don’t be so pessimistic.
AのThere’sが[ðez]と短く発音されている。
A: 自分の人生をより良く変えるためにできることは何もない。B: そんなに悲観的にならないでよ。*pessimisticは「悲観的な」という意味。

4)英・英

A: There’s good news and there’s bad news I need to tell you.
B: Please tell me.
A: Your husband’s died.
B: Oh. So what is the bad news?
AのThere’sが[ðez]と短く発音されている。
A: いいニュースと悪いニュースがあるんです、君に伝えなければならない。
B: 教えてください。
A: ご主人が亡くなられました。
B:ああ、それで、悪いニュースは何なんですか?

5)英・英

A: Did you see the weather forecast?
B: No. Why?
A: There’s going to be a big storm today.
B: Oh boy! I hope class gets cancelled.
Aの二つ目の発言の、There’sが[ðez]と短く発音されている。
A:天気予報見た?
B: いいえ、どうして?
A: 今日は大嵐になるみたい。
B: 大変だ。授業が休みになればいいのに。