【テーマ別】リスニング問題のトレーニング1(前置詞1)

これから、テーマ別にリスニング問題を解くトレーニングをしていきます。

テーマごとにリスニング問題を解いていくことができるので、効率的に各テーマの問題を解く力を鍛えることができます。

第1回のトレーニングのテーマは、前置詞です。

前置詞は、位置関係を表すために使われるので、位置関係を尋ねる問題(例えば、道案内問題など)で頻出です。

この位置関係の理解は、日常生活でも重要なため、これが関わる問題はよく出ます。

しかし、頻出なのに、苦手な人も多いです。おそらく、頭の中で位置関係がこんがらがってしまうからでしょう。

今回は、そんな前置詞を使って位置関係を表すシチュエーションに、問題をたくさん解く中で慣れていきましょう!

1)

スロー再生音源
W1: I’d rather not sit near the exit.
M1: But not too near the screen, either.
W2: Isn’t the sound better at the back?
M2: Do you think so? Let’s sit there, then.

Question:
Which seats will the speakers choose?

W1:出口付近の席は避けたいですね。
M1:でも、スクリーンに近すぎるのもちょっとね。
W2:後ろの方が音がいいんじゃない?
M2:そう思う?じゃあ、そこに座ろうよ。

質問です。
話し手たちはどの席を選ぶのでしょう?

ポイント1:前置詞nearが使われていました。”near + 名詞” で「~の近く」という意味です。
ポイント2:W1のセリフで、 “I’d rather not sit near the exit.” と言う発言がありました。この中の “‘d rather not” は、フルで書くと、”would rather not” です。would rather V(〔他の行動をするより〕Vしたい、prefer to Vに近い意味)という助動詞表現の否定形です。notの位置が、would rather notという風に、ratherの後ろに来るのがポイントです。よく使う表現なので、 何度も唱えて覚えておきましょう。例文:I’d rather have a quiet night in front of the TV than go out. (外出するより、テレビを見ながら静かに夜を過ごしたい。)

ディクテーション問題

空欄を穴埋めしましょう!

W1: ( ) ( ) ( ) ( ) near the exit.
M1: But not too near the screen, either.
W2: ( ) ( ) ( ) better at the back?
M2: Do you think so? Let’s sit there, then.

Question:
Which seats ( ) the speakers choose?

W1: (I’d) (rather) (not) (sit) near the exit.
M1: But not too near the screen, either.
W2: (Isn’t) (the) (sound) better at the back?
M2: Do you think so? Let’s sit there, then.

Question:
Which seats (will) the speakers choose?

ポイント1:W1のセリフの穴埋めでは、 “would rather not V” (~したくない)という形が入っていました。
ポイント2:W2のセリフの穴埋めでは、 “Isn’t the sound better” という否定疑問文の形が使われていました。もともとの形は “The sound isn’t better” で、isn’tが文頭に出た形です。
ポイント3:Questionの穴埋めでは、willが答えでした。willは「ウィル」という言い方ではなく、「ウィゥ」のように発音されていました。これは、willの中の語尾の[l]の音が、 “ダークL” の発音になっていたからです。ダークLに関しては、第1部 「英語の発音徹底マスター編」3-7『ダークL』の発音の仕方を参照。

出典:共通テスト2022年度本試験 問11

2)

スロー再生音源
M1: Excuse me, where’s the elevator?
W1: Down there, next to the lockers across from the restrooms.
M2: Is it all the way at the end?
W2: That’s right, just before the stairs.

Question:
Where is the elevator?

M1: すみません、エレベーターはどこですか?
W1: あそこです、トイレの向かいのロッカーの横です。
M2: 奥のほうですか?
W2: そうです、階段のすぐ手前です。

質問です。
エレベーターはどこにありますか?

ポイント1:W1のセリフで、downという副詞が使われていました。これは、「下に」という意味のほかに、「[話し手や話題にのぼっている場所から]離れて」という意味があり、今回はそれです。必ずしも、下りを意味しないことがポイントです。
例文:I’m just going down to the convenience store. (私はコンビニに行くところです。)down to the convenience storeと言っているが、コンビニは必ずしも、下ったところにあるわけではない。

ポイント2:”next to ~” は「~の隣に」という意味の前置詞。2単語という複数の語で前置詞の働きをしており、これを「群前置詞」と呼ぶ。

ディクテーション問題

空欄を穴埋めしましょう!

M1: Excuse me, ( ) the elevator?
W1: Down there, next to the lockers ( ) from the restrooms.
M2: ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) at the end?
W2: That’s right, just before the stairs.

Question:
Where is the elevator?

M1: Excuse me, (where’s) the elevator?
W1: Down there, next to the lockers (across) from the restrooms.
M2: (Is) (it) (all) (the) (way) at the end?
W2: That’s right, just before the stairs.

Question:
Where is the elevator?

ポイント1:M1のセリフの穴埋めでは、 “where is” 短縮形 “where’s” という形が入っていました。
ポイント2:M2のセリフの穴埋めでは、 “Is it all the way” という語句が空欄に入りますが、Is itのところにリンキングが起こり、it allのところでは、tがフラップTになっていました。
*リンキング、フラップTともに、「第2部 ネイティブの省エネ発音徹底トレーニング」参照。リンキングは第2部の6-9でトレーニング可能。フラップTは第2部の10-13でトレーニング可能。

出典:共通テスト2021年度本試験 問11