語頭のhは消えるか弱くなることが多い(1)

hは通常は息を強く発音する音ですが、くだけた会話では、語頭のhは息をしっかり吐いて言わないことが良くあります。

次の英文は何と言っているでしょうか?

Show her to me! I need to see her right now!
彼女を俺に見せてくれ!今すぐ彼女に会う必要があるんだ!

どうでしょうか?

herはhの音が弱くなり、(h)erと発音されています。

このような現象は、ネイティブの日常会話では頻繁に起こるので練習しておきましょう。

【練習】何と話しているか聴き取ってみましょう。

1)

Oh, ( ) ( ) OK? Call 911!
Oh, is (h)e OK? Call 911!
heの頭のhの音がほぼ消えて、(h)eのようになっている。
911は、アメリカで「救急・消防・警察」を呼ぶときの電話番号。ちなみにイギリスは999、オーストラリアは000です。
彼は大丈夫か?911に電話しろ!

2)

And someday you’ll get to ( ) ( ) again.
And someday you’ll get to see (h)er again.
herの頭のhの音がほぼ消えて、(h)erのようになっている。
そしていつの日か、あなたはまた彼女に会うことになるでしょう。

3)

Oh, what do you need? ( ) ( )? ( )?
Oh, what do you need? (H)ot tea? Coffee?
Hotの頭のhの音がほぼ消えて、(h)otのようになっている。
何が欲しい?あったかいお茶?それともコーヒー?

4)

He ( ) ( ) do that.
He (h)as to do that.
hasの頭のhの音がほぼ消えて、(h)asのようになっている。
彼はそれをやらないといけない。

【解説】

どうだったでしょうか?

上記の4つの練習問題では、次の英文が読まれていました。

Oh, is (h)e OK? Call 911!

And someday you’ll get to see (h)er again!

Oh, what do you need? (H)ot tea or coffee?

He (h)as to do that.

そして、それぞれの英文では、he、her、hot、has toというhが語頭に来る単語で、hの音が非常に弱くなるか、あるいは消えていました。

これが原因で、これらの英文は聞き取りづらくなっていました。

【対策】

では、このような発音がされても聞き取るには、どうすれば良いでしょうか?

それは、これの単語は、語頭のhを強く言わないことがあることを意識しておくことです。

つまり、heやherという単語は、会話の中では(h)eや(h)erになるかも、とあらかじめ思っておくということです。

そして、そもそもheには「e」、herには「er」という読み方もある、と考えておきましょう。

たとえば、I willは文中では省略形で、I’llになることを学校では教わりますが、それと同じように、heやherの音の省略された形として、eやerがあると考えるということです。

そして、そのように考えた上で、実際にhの弱いパターンを集中的に練習すれば、実際の会話で聴き取ることがずっと容易になるでしょう。

では、次のページで続きを練習しましょう!