【コラム】英単語の発音/発音記号は覚えた方がいいのか?(フォニックス)

この質問は、英語を勉強している人からよく聞く質問です。

そして、その答えは『イエス』です。

なぜなら、正しい発音を知っていれば、誤解なく相手に伝わりますし、相手の英語も聞き取りやすくなるからです。

しかし、『すべての単語の発音や発音記号を覚えるのは、大変そうだ』と感じられるかもしれません。

しかし、実は、単語のスペルさえ知っていれば、単語の発音はかなりの程度予想できます。だから、単語の発音を覚えるのは、実はそれほど大変ではないんです。

スペルと発音は一対一で対応していないとはいえ、かなり規則性があります。

そして、その規則性を知っていれば、スペルを見れば単語の発音を知ることができます

例を挙げましょう。

「子音+a+子音」というスペルの場合、このaの発音は、[æ]になります。

例えば、次のような単語があります。

hat [hæt]

bat [bæt]

cat [kæt]

mat [mæt]

rat [ræt]

これらはどれも、『子音+a+子音』というスペルですが、aの発音は[æ]という発音になっています。

だから、この規則性を知っていれば、aを見て、発音が[æ]なのか[ʌ]なのか、あるいは[ɑ]なのか迷わずに済むのです。

このような規則性を意識すれば、単語の発音はかなりの程度わかります。

そして、このようなスペルと発音の関係を『フォニックス』(phonics)と呼びます。

『フォニックス』を知っていると非常に便利です。そのため、アメリカの小学校では、子どもたちは単語の読み方のルールである『フォニックス』を教わります。

以下にスペルと発音の関係を示す『フォニックス』のルールの特に有名なものを紹介します。

フォニックスの重要ルール

1)

子音+a+子音では、aは[æ]

例:hat [hæt], bat [bæt], cat [kæt], mat [mæt]

2)

子音+u+子音では、uは[ʌ]

例:cut [kʌt], hut [hʌt], but [bʌt], nut [nʌt]

3)

子音+o+子音では、oは[ɑ]

例:hot [hɑt], not [nɑt], shot [ʃɑt], God [gɑd], box [bɑks]

4)

er, ir, urは[ə:r]か[ər]

例:her [hə:r], nerd [nə:rd], sir [sə:r], dirty [də:rti], lurk [lə:rk]

runner [rʌ́nər], daughter [dɔ́:tər], singer [sɪ́ŋər]

5)

oaは[oʊ]

例:road [roʊd]、loan [loʊn]

6)

アクセントのない音節のaは[ə]

例:alive [əláɪv], arrive [əráɪv], another [ənʌ́ðər], again [əgén]

7)

aiは[eɪ]

例:fail [feɪl], rail [reɪl], jail [dʒeɪl], sail [séɪl]

8)

ue, ewは[u:]

例:blue [blu:], blew [blu:], brew [bru:], clue [klu:]

9)

語尾に読まないeの音(サイレントE)が付くと、その直前の母音はアルファベット読みをする

例えば、make [meɪk], bake [beɪk], fake [feɪk], pipe [paɪp], dive [daɪv], mute [mju:t], duke [dju:k], Pete [pi:t], hope [hoʊp], rope [roʊp]において、語尾の “e” の音は読まない文字です。

makeの “ke” の部分は、[k]と読んで、[ke]とは読みませんね。また、bakeの “ke” の部分も、[k]と読んで、[ke]とは読みません。

このような読まないeをサイレントEと呼ぶわけですが、その直前の母音はアルファベット読みします。

つまり、aは[eɪ]、iは[aɪ]、uは[ju:]、eは[i:]、oは[oʊ]と読みます。(aを[æ]、iを[ɪ]のようには読みません)

それで、make [meɪk]の中で、aの部分は、[eɪ]

pipe [paɪp]の中で、iの部分は、[aɪ]

mute [mju:t]の中で、uの部分は、[ju:]

Pete [pi:t]の中で、eの部分は、[i:]

hope [hoʊp]の中で、oの部分は、[oʊ]

と読まれています。

この『サイレントEの前の母音は、アルファベット読みする』という法則は英語の中で非常にたくさん使われているので、単語の読み方を知るために使ってみてください。