最高難度演習問題

映画のセリフや現地の人の会話を聴き取る際に、意識しておくべきポイントは、次の3点です。

1:スピードが速い。

2:滑舌がいい人ばかりではない。

3:訛りがある。

この3つのポイントに対応できるように、ネイティブリスニングでは、ここまでトレーニングをして来ました。

しかし、上には上があるもので、さらに上のレベルに対応するトレーニングも必要です。

そのために、この『最高難度演習問題』ページがあります。

このページで『最高難度』の聴き取りトレーニングをしていきましょう。

まずは、以下のチャレンジ問題の聴き取りに挑戦してみましょう。聴き取れるでしょうか?

【チャレンジ問題】

I was wondering what’d happened to you when you didn’t call me back the other night. Were you all right?
この前電話がなかったのでどうしたのかと思っけど、大丈夫だった?

どうだったでしょうか?

これが聴き取りにくい理由は、主にそのスピードと滑舌の悪さです。現実には、このような話し方をする方は、アメリカには大勢います。現地に行って生活すれば、毎日出会うと思ったほうが良いでしょう。留学先のクラスメートや、勤務先の同僚などがこのような話し方だったり、ホストファーザーがこのような話し方であることは普通です。

では、このような話し方をクリアできるようにこれから聴き取り練習を頑張っていきましょう!

【練習】

1)

A: Josh seems to be hanging out with a bunch of bad boys at the park lately. I was wondering if you could keep him from going there.
B: OK. I’ll try to keep him out of the park.
AのセリフのI was wonderingのところが、かなり省略が起こり、聞き取りづらくなっている。
A: ジョシュは最近公園で不良たちと付き合ってるみたい。あの子が公園に行くのを止めてくれないかしら。B: わかった。ジョシュが公園に近づかないようにするよ。

2)

Why do I have to rea(d) those ol(d) boring novels (in) English classes?
Whyの中の母音[aɪ]が短母音化している。readのdが消えている。oldのlがダークLになっている。dが消えている。前置詞inが非常に弱くなっている。
なんで英語の授業ではああいう古い退屈な小説を読まないといけないだろう。

3)

The kiwi’s rotten on the outside.
rottenの中の[t]がほぼ発音されていない。聴き取りのコツは、まず語頭の[r]の音を聴き取り、語尾の[n]の音を聴き取って、[t]の音は弱化し破裂がなくなるという知識に基づいて、[r][t][n]の音がある単語として「rotten」を思い出すことで話されている単語を推測します。日本人でも滑舌の悪い人の話していることを聞き取る際には、無意識に、話されている単語を予想しますが、それをするイメージです。
そのキウイは、外側が腐っている。*rottenは「腐っている」という意味。

4)米・英

A: I don’t have the courage to tell him my true feelings. B: That’s where you’re wrong.
Aの中のhaveは、語頭の[h]がほぼ聞こえなくなり、さらに語尾の[v]も弱くなり、(h)a(ve)のようになっている。himは[m]のように発音されている。
A: 彼に自分の本当の気持ちを伝える勇気がない。B: あなたのそこが間違っているのよ。

5)

A: My dad’s great with tools. He can get the wheels off the car in less than a minute. B: You’re lucky to have a good father like him.
A: 僕のパパは道具の使い方が上手いんだ。一分以内に車からタイヤを外せるんだよ。B: あんなにいいお父さんを持って良かったわね。

6)米・英

A: Lemme stay here for a few more days. B: No way! A: For God’s sake! B: You gotta pay me at least twenty bucks a night. Otherwise, I’m gonna kick you out of this place.
A: ここにあと数日泊まらせてくれないかな。B: とんでもない! A: お願いだよ! B: 一晩最低20ドル払って、そうじゃなかったらあなたをここから追い出すわよ。
No wayは「とんでもない」と拒絶する意味。For God’s sakeは「どうかお願いだから」と懇願する意味。buckはドルのカジュアルな言い方。

7)米・英

A: I’ll pay the money back in ten days. So, please lend me some money. I think I can win the race this time. B: Do you seriously think I believe what you say?
AのI canのcanが非常に弱く発音されていて、c(a)nのようになっている。語尾のnの音も弱くなっている。
A: 10日したらお金を返すよ。だから、少しお金を貸してくれないか。今回はレースで勝てると思うんだ。B: 本気で私があなたの言うことを信じると思ってるの?[

8)英・米

A: I see you here every morning. B: Come rain or shine, I’m here by 7:15.
AのI see you hereのhereの語頭のhが消えていて、(h)ereとなっている。また、語尾の[r]の音も消えている。
A: 君を毎朝ここで見るね。B: 晴れても雨が降っても、僕は7:15にはここに来るんだ。*Come rain or shineは「晴れても雨が降っても、どんなことがあっても」という意味の表現。[

9)英・英

A: What are we supposed to do to her? B: You got to go see her and fix her mood right now.
Bのgotの語尾の[t]、およびtoが消えていて、go(t) (to)となっている。また、herが(h)erと発音されている。また、andが(a)n(d)となっている。
A: 彼女に何をすればいいんだ?B: 彼女に会いに行って、今すぐ機嫌を直さなくちゃ。*got toはhave toの短縮形で、「~しなければならない」という意味。[

10)

You know, I got a little bit of a cold myself.
gotの[t]の破裂がなくなっている。littleのtがフラップTになっている。bit ofとof aのところにリンキング。coldの[d]が消えている。
あの、私もちょっと風邪をひいてしまいましたよ。

11)英・英

A: How drunk were you last night?
B: Well, I still (h)ave my pants on, so not that drunk?
A: Those aren’t your pants.
haveが速く発音されるあまり、「ave」となっている。
A:昨夜はどれくらい酔っていたんですか?
B:まあ、まだパンツは履いてるし、そんなに酔ってないかな?
A:それはあなたのパンツではありませんよ。
*”pants”はアメリカ英語では「ズボン」の意味、イギリス英語では「(下着の)パンツ」の意味。今回は、話しているのがイギリス人なので、「(下着の)パンツ」の意味になる。