ダークL(1)

チャレンジ問題:何と言っているでしょう?

Ah, awesome! I knew you were a chill guy!
*chillは文脈によって色々な意味を持つが、ここでは「かっこいい、素敵な」という意味。
うゎ、すげー!君がクールなやつだって俺はわかってた。

聞き取りにくさを感じる原因は、『ダークL』という現象です。

『ダークL』とは何でしょうか?

それは、単語の中、あるいは末尾のLが、「ゥ」や「ォ」のように発音される現象のことです。

たとえば、次に読まれる人名は何でしょうか?

答えは、「マイケル」です。

しかし、「ル」とは聞こえなかったのではないでしょうか?

その理由は、Michaelの末尾にある「L」の発音が、小さな「ゥ」や「ォ」のように発音されるからです。

Michaelを発音記号で表記すると、単語の末尾のLの発音は、次のようになります。

[máɪkl]→[máɪk“o”] [máɪkl]は辞書に表記されている発音記号ですが、発音変化が起きて、実際は[máɪk“o”]と発音されます。(* ここで””マークは、強調のため付けています)

この現象のことを、『ダークL』と言います。

ちなみに、ダークLについて、さらに詳しくは、次のページを参照。

ここで、もう一つダークLの例を挙げてみます。

次の音声では、何と発音されているでしょうか?

It’s getting a bit cold.
少し寒くなってきてるね。

ここで、「コゥ」と聞こえた部分は、coldです。

coldという単語は、「コールド」と言うのではないのだろうか?と思われたかもしれませんが、coldの中のlは「ダークL」という発音になります。

coldの『ダークL』による発音変化を発音記号で表記すると、次のようになります。

[kóʊld]→[kóʊ”ʊ”d]

そして、「語尾の破裂音は消える」というルールも適用されて、

[kóʊ”ʊ”d] →[kóʊʊ]

と聞こえます。(さらに、[ʊʊ]の部分も同じ音同士なので、同化して[ʊ]一つにまとまるため、最終的に、coldは[kóʊ]となります)

このように、「ダークL」が原因で聴き取りにくくなる現象はたくさん発生するので、これからしっかりトレーニングしていきましょう。